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眠りに落ちて
家に帰って一息吐いた。
楽しい日曜日ではあった。でももう嫌だ。
真帆ちゃんはインテリジェンスは高いけど方向性がおかしい。
でも気になるんだよね。絵を描いている時、真帆ちゃんがこっちを見ていると、不思議な気持ちになるのだ。
流紫降の真帆への気持ちが整理されないまま、流紫降はベッドに横になった。
双子の碧が入ってきた。服を脱いで半裸で横になった。
「碧ちゃん、今日は勝負パンツだったね。ちょっとおませじゃない?小学2年だよ僕達」
「別にいいじゃん。私が誰と付き合おうが」
「影山さんは」
「うるさい。姉の男の好みに口を出すな。こっちには島原真帆ってカードもあるわよ」
珍しく頭の上からの物言いがあった。
「僕は、ケチをつける気はないよ。碧ちゃんがちゃんと幸せなら。考えてみると僕達は影山さんと同じ人種だし。碧ちゃん、碧ちゃん?」
スヤスヤという碧の寝息が聞こえた。
もう寝ちゃったか。
ふと、流紫降は周囲に気を向けた。
屋敷の中は静まり返っている。みんな寝てしまっていた。
流紫降は、確かにその気配を感じたが、それの反応することも出来ず重くなる瞼を閉じていた。
ああでもーー。父ーーさん。
流紫降達の寝室は、深い深い眠りの帳に覆われていた。
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