眠りに落ちて

1/1
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ

眠りに落ちて

 家に帰って一息吐いた。  楽しい日曜日ではあった。でももう嫌だ。  真帆ちゃんはインテリジェンスは高いけど方向性がおかしい。 でも気になるんだよね。絵を描いている時、真帆ちゃんがこっちを見ていると、不思議な気持ちになるのだ。 流紫降の真帆への気持ちが整理されないまま、流紫降はベッドに横になった。 双子の碧が入ってきた。服を脱いで半裸で横になった。 「碧ちゃん、今日は勝負パンツだったね。ちょっとおませじゃない?小学2年だよ僕達」 「別にいいじゃん。私が誰と付き合おうが」 「影山さんは」 「うるさい。姉の男の好みに口を出すな。こっちには島原真帆ってカードもあるわよ」 珍しく頭の上からの物言いがあった。 「僕は、ケチをつける気はないよ。碧ちゃんがちゃんと幸せなら。考えてみると僕達は影山さんと同じ人種だし。碧ちゃん、碧ちゃん?」 スヤスヤという碧の寝息が聞こえた。 もう寝ちゃったか。 ふと、流紫降は周囲に気を向けた。 屋敷の中は静まり返っている。みんな寝てしまっていた。 流紫降は、確かにその気配を感じたが、それの反応することも出来ず重くなる瞼を閉じていた。 ああでもーー。父ーーさん。 流紫降達の寝室は、深い深い眠りの帳に覆われていた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!