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 京介は小さな喫茶店のカウンターに、背筋を伸ばして座っていた。どんな服装をして来るべきか迷ったが、変に気合を入れていると思われたくないので、結局いつものワイシャツで来てしまった。一ついつもと違うのは、眼鏡をかけていることだ。  しばらくすると、お洒落なロングスカートを着こなした遥がやって来た。コンビニの制服姿しか見たことがなかったのもあり、京介はますます彼女に惹かれた。  少し赤色のデザインも見られたが、眼鏡を通せば何の問題もない。 「あ、京介さん眼鏡かけてる」 滝森さん、が京介さん、に変わっただけで、妙な感じがする。 「実は、俺ちょっと視力悪くてさ。たまに眼鏡もかけるんだよ」  ガラスのレンズが入った眼鏡を弄りながら、京介は言った。少し無理があるが、遥は特に気にする様子も見せなかった。  これさえ怪しまれなければ、もう何も心配する必要はない。京介は、神様からの今日一日を乗り切ったご褒美を満喫することにした。
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