新しい傘とバラの花

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 この後、何て言おう。  帰ってくれ、か?  上がってくれ、か?  一瞬迷った時、花束と違う硬質の感触が腕に触れた。 「それと、待たせてごめん。ケロタン、描いたよ」 「えっ」  硬質の感触は、傘だった。  響の渡した、300円のビニール傘ではない。  高価そうな、モスグリーンの紳士用傘だ。 「受け取ってくれるかな」 「う、うん」  響は花束と共に、傘を受け取った。
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