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美味しいカフェオレ
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底無し沼のようなブラックコーヒーに堕ち、苦味に無抵抗になろうとする時、
それは突然やってくる。
滴る鮮やかな潔白。降り注ぐ純白。まるで青天の霹靂のように。
白濁する褐色の沼は甘く蕩けていく。
甘く愛おしい味と引き換えに、それは潔白を手離す。
甘い味は悪魔の囁きと共に、禁断の味を成す。
何度でも欲しくなるあの味。
美味とはこれだけではないと分かっていても、この甘美な味には囚われてしまう。
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