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「ただいま!ってあれ…?」
家に帰るとなんと私の一つ下の弟の葵のスニーカーが玄関にあった。
「おかえり、蓬ちゃん。…あと桜と柏もおかえり」
「たっだいまー、あおくん!」
桜と柏が葵の姿を見ると勢いよくスニーカーを脱ぎ捨て、飛んでいく。まあ、葵に用があるのではなく、葵の作ってるものに用があるみたいだけど。
「ねー、あおくん!何作ってるの?」
「…カレーだよ。俺、そんな蓬ちゃんみたいにいろいろ作れないの知ってるだろ。あと、手荒いうがいシッカリしてしてよ。あと蓬ちゃんにべたつくな」
「はーい!!」
桜と柏が葵の言葉を半分も聞かずに手洗い場にパタパタ行く。その後ろ姿に葵は小さくため息をつく。
「ちょっと前までは蓬ちゃんは俺だけの姉ちゃんだったのに」
葵もお姉ちゃん大好きっ子なのだ。私と違って容姿端麗できっといや、絶対女の子にもモテてるのに告白を断ってるとか。いいのか、いや、良くない!
「なに、蓬ちゃん百面相してるの?」
葵が心配そうに私を見る。私は大丈夫!と強く言う。
「ってか、ごめんね。帰り遅くなって。バイトは大丈夫なの?」
私が聞くと葵は大丈夫だと手をひらひらさせ、カレーのルーを盛大に鍋にぶち込む。ザ!男飯って言う感じでなかなか豪快だ。前作ってくれた時と比べて食べやすいように野菜をカットしてくれたのは成長したなと思う。嬉しい。
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