私は彼氏ができない。

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「お姉ちゃん、早く帰って食べよ!」 ホットケーキを作ってあげるという約束をすっかり忘れた柏がお土産にもらたお菓子の紙袋をぎゅっと握りしめニコニコしている。私は苦笑して柏の頭をそっと撫でた。 「おばあちゃん、またね~」 桜と柏は小さな手で目いっぱいおばあさんに手を振る。 そういえば桜と柏には実のおじいちゃん、おばあちゃんに会ったことがない。二人が生まれる前に父方も母方もおじいちゃんは亡くなっていたし、おばあちゃんたちは生まれて間もなくして亡くなったから、おばあちゃんという存在に関わるのは初めてなのかもしれない。 「お姉ちゃん、またおばあちゃんち、行こうね!」 桜はおばあさんから貰ったオレンジを自分で持って帰ると言った。そして今、大切に持って帰っている。 「てか、もうこんな時間?!!」 あと、2時間したらお父さんが帰ってくる時間だ。おやつどころではない。夕食をまずは作らねば!あと洗濯物も取り込んで・・・。 「桜、柏。お姉ちゃんのお手伝い、できる?」 「はーい!!」 二人は元気よく手を挙げて返事をする。そして幼稚園で覚えた歌を歌いながら帰った。…まあ、歌ってる場合じゃないけどね。
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