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私は彼氏ができない。
それはある金曜日のお昼休みの時の事。いつものように私はこの高校に来て初めてできた友達の桃とユリと楓と机をくっつけてお弁当を食べていた。…と言ってもお弁当を持ってきているのは私だけ。桃は購買で買ったサンドウィッチとオレンジジュース。ユリは学校に来る途中で買ったコンビニのおにぎりとお茶。楓はなんと、タピオカミルクティーだけ。
「楓、それだけで足りる?」
私は心配したけど、楓は手をひらひらさせて笑っている。
「足りる、足りる~!ってかタピオカってカロリー高いから、これでご飯食べたら、マジ太る!」
…そういうものなの?タピオカって。皆がよく飲んでいるタピオカドリンクは私は飲んだことがない。だから正直、よくわからなくて曖昧に笑った。
そしてもう食べ終わるころ…。
「明日はようやく休みだね~」
「私、彼氏とデート!駅前の新しくできたカフェに連れてってもらうんだ!」
「えー、あそこのカフェ!?私も今度、彼と行ってみようかな。行った感想聞かせてね!」
…。話についていけないぞ、私。桃もユリも楓も彼氏がいる。そしてその話にすごく盛り上がってる。3人とも、入学したときは彼氏がいなかったのに、いつの間にか3人は素敵な彼氏を見つけていた。しかもこっちが照れてしまうくらい大事にしてくれる彼氏さんみたいで。
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