学園と仕組み

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学園と仕組み

国立、神宮聖(シングウセイ)学園。その名をあげれば知らない者はいないという知る人ぞ知る、由緒正しい超名門校。 初等部からの持ち上がりで特例がない限り中、高、大とエスカレーター式で 総生徒は学園側が用意した超一流ホテルのような寮で日々を快適に過ごせるよう約束されている。 しかもこの学園、所有している土地の広さは全国の進学高ダントツのトップ。 しかもしかも国の最新技術が一点に注がれているだけあって、 食堂を初めとした生徒が日常を過ごすのに欠かせないものには一切の惜しみなく、多額の金額と技術が施されていて。 ここまでくれば当然ながら、学園を希望する毎年の競争率は異常。 それらに関した父兄からの理不尽な暴動を防ぐ為、学園できちんとした入学者を承るのは初等部のみと定めた。 それ故いつからか神宮聖に集うのは、格別に容姿の整った者や家が裕福な生徒、将来を期待されている生徒などが大半を占めるようになった。 ……ただ、初等部以外での編入は認められないこの学園だが、時たま特例として、外部生を特待生として儲けているらしい。 だが、世俗を離れ、より勉学に励めるようにと、人里離れた山奥にひっそりと健立された広大な学園の敷地。 色々な意味で一歩大人に近づく生徒達にとって、閉鎖的な環境に女子のいないヤローばかりの境遇に立たされれば、 自然と恋愛の対象が同じ男となってしまうのも無理はない。 それ故高等部まで上がった生徒たちは、ホモ・ゲイが6割。バイが3割。そして倫理的なノーマルが僅か1割にまで減少してしまう。 つまり同じ同性の相手を性的な目で見てしまうということで。 そしてなんといっても、他の名門校と異なるのは生徒への尊重性。 一応中等部までは教師たちが纏め上げていたが、それ以上の学年は、選ばれた生徒が一般生徒を引っ張っていく、理事長に次いでの権力所有組織――生徒会が選出される仕組みになっている。 その生徒会メンバーの決め方は、一般生徒からの批評や不満の声があがらないよう、元より容姿は勿論ながら人望の厚さ、才能、成績から各々の能力まで、ずば抜けて目につく優秀な人材を候補とあげる。 そして最も鍵となるのは、学園内総生徒の間で開催される1大イベント―――“抱きたい人”“抱かれたい人”ランキング。 そしてその上位が、学園内の最高権力者である生徒会員かあるいは風紀委員へと押し上げられる。 今回の主人公も、そんな学園の制度で進出させられた、成績優秀、イギリス人の叔母から受け継いだサラサラの銀色の髪と澄んだ碧色の目は、間違い無く美形ばかり集めたこの学園の中でもトップクラスといえるほどの眉目秀麗さ。 恐ろしいほど容姿は整っているに加え身長180越えで男らしいと。 決して華奢とはいえない美麗な筋肉が引き締まっている体格で、抱かれたいランキング第1位、と輝かしい称号を与えられた 完璧超人な――生徒会長様だった。
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