花屋さんみたいなカフェ

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店員さんがおすすめしてくれて 私は二階のテラス席へ行くことに。 カウンター横の階段を上がりドアを開けると そこは気持ちの良い青空が広がっていた。ゆっくりと白い入道雲が風に乗って流れていく。 今日は、7月の始まり。 空から視線を落とし、辺りを見ると 水色のパラソルの下で白色の丸いテーブルを囲んで向かい合って座っている年配の優しそうな夫婦の姿に目が止まった。 奥さんはロングの花柄ワンピースに 麦わら帽子をかぶっている。 おばあさんは口元を手で隠しながら、楽しそうに笑って話していた。おじいさんは穏やかな笑顔で相槌を打つ。 この場所は、入道曇と同じでゆっくり、ゆっくり時間が流れていた。
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