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アカシカの夜
ーーーーーーーー魔が差した。
そんな後悔が全身を縛りつける様に動く事が出来ない。
興味本位という安易な理由で踏み込んだ古びたダム
霧がかった視野の中には薄っすらと巨大なそれが現れた。
唯一、動く瞼を強く瞑った。
まるで地鳴りのような喉を鳴らす音に、全身が痺れるような感覚に陥る。
全身を氷の針で突き刺したような冷たさと激痛の中。
緊張感で自身の鼓動が、耳に伝わる程の恐怖で全身を支配した。
しかし、好奇心は恐怖に勝り薄っすらと眼を開けてしまった。
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