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「白い樹」
白い樹はダムの近くに一本だけ生えている様に描かれていた。
恐らくダムは近くにあるのだろう。もう此処まで来たなら覗いてすぐ帰るのも同じと気に近づいた時だった。
もう、驚きのあまり声も出ず固唾をのんで、その白い樹に近づくと全身に痺れるような痛みと泣き叫びたい衝動を堪えるので手一杯となった。
白い樹。その正体は人の白い腕が幾重にも重なり合い腕出来た樹であった。
手招きをしている腕が有った為、出来るだけ離れて歩いているつもりだった。
「、、、、、、、え」
腕に気を取られていた為、それに気が付かなかった。
目の前には巨大な人を覆えるほどの岩が有った。その岩には血で押された手形がびっしりと隙間なく岩を覆っていた。
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