No.1 encounter

10/11
9728人が本棚に入れています
本棚に追加
/353ページ
「本当に良かったの?」 談話室に居た、柳原さんが俺にそう問い掛けた。 「松山くんにヒーローの座を譲って」 「ヒーローって」 俺は笑う。 「これが、浅野さんとのはじまりになったかもしれないよ?」 「興味ないですよ」 「本当に?」 柳原さんが怪しむように俺を見た。 「まぁ、国分がいいならいいけど」 そう言って柳原さんは、俺と対面の椅子に座る。 「松山、俺に口止めしてないよな?」 確かに。 「俺、聞かれたらどうしよっかな~」 柳原さんが悪い顔をして笑う。 「アイツのはかない恋、見守ってやってくださいよ」 「散るって決めつけてんじゃん」 柳原さんは声を出して笑った。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!