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「本当に良かったの?」
談話室に居た、柳原さんが俺にそう問い掛けた。
「松山くんにヒーローの座を譲って」
「ヒーローって」
俺は笑う。
「これが、浅野さんとのはじまりになったかもしれないよ?」
「興味ないですよ」
「本当に?」
柳原さんが怪しむように俺を見た。
「まぁ、国分がいいならいいけど」
そう言って柳原さんは、俺と対面の椅子に座る。
「松山、俺に口止めしてないよな?」
確かに。
「俺、聞かれたらどうしよっかな~」
柳原さんが悪い顔をして笑う。
「アイツのはかない恋、見守ってやってくださいよ」
「散るって決めつけてんじゃん」
柳原さんは声を出して笑った。
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