外伝「私の運命も邪魔してくるんですけど!?」

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 私は吹き飛んだ。  多分一メートルぐらい飛んだ。見事にFly awayしたのだ。  めっちゃ痛いんですけど……  デビュー戦にしていきなり死ぬ……とか?  そんなことあってたまるか!  私は生きるんだ! 新しい人生で! いや、魔物生で!  私は足元に落ちていた石を拾ってキングラヴァーの大きな目に向かって叩きつけた。思いっきりだ。  キングラヴァーから緑色の血が吹き出ている。  よし、いい感じだ。  もう一度手頃な石を拾ってトドメを指す!  そう決めた瞬間また転がり始めた。 「もうその攻撃は受けないよ!」  主人公風に叫んでみた。  てか私喋れるんだ。兎型の魔物なのに。  喋れないと思ってたわ。 (普通は魔人にならないとそんな流暢にに喋れないよ)  すかさず神様が教えてくれる。  いや、まず魔人って何!?  あ、転がってきたキングラヴァーが意外と近くまで来てた。  危ない危ない、クールガールな私は華麗に……  クールラビットな私は華麗にかわすぜ。  あ、ちょっと尻尾当たっちゃった。  地味に痛い。  てかうさぎなのになんで尻尾長いの!?  そんなことを考えていたらキングラヴァーは方向転換して木に向かって転がり始めた。 「ははっ! 芋虫ちゃん! そんな所で自滅かい!」  悪役風にセリフを吐いてみる。  するとキングラヴァーは木にぶつかった後反動でこっちまで飛んでくる。  私の真上まで来た瞬間ガバッ! と丸まっている状態を解いてのしかかってきた。  お腹の部分に複数ある足が私を掴もうとうじゃうじゃ動いている。  きもいきもいきもい!  私は咄嗟にかわしてもう片方の目にも石を叩きつけた。  もう私の勝ちは確実だ。  キングラヴァーは最初もがいていたが次第に動きがゆっくりになり……完全に動きが止まった。  私は初めて魔物を倒したのだ。  一体と戦うのに何時間かかったんだろうか……。  キングラヴァーを眺めていると聞き覚えのある音が聞こえてきた。  ――グゥー  どうやらお腹が空いたようだ。  お腹の虫が鳴っている。キングラヴァーだけに……  ――ははっ……  食えるか!!  芋虫だよ!? それとも魔物だから味の変化があるのかな!?  とりあえずトライするのは大事だ。  元いた世界でもイモムシを食べてる国はあった……はず。  きっとクリーミィに違いない。  恐る恐るキングラヴァーの外殻を剥がしてみる。  ――バリッ!  外郭の下には綺麗なピンク色な……  いや、紫だったわ。  絶対毒あるよねこれ……  でも紫色の野菜があるぐらいだ。  ほら、紫芋美味しいよね。  うん、行ける行ける……たぶん。  えぇい! 死ぬ訳には行かない! 食べてやるー!  ――もギュッ  ――もギュッ  ――ごっくん。  うん!! まっず!!  ないわ! これ捕食するとかないわ!  う〇こだわこれ! 食ったことないけど! (ぷぷぷ)  何笑ってんだ神様!  神様の力で何かご飯出してよ! (それは出来ないかなぁ)  ――チッ!  むぅ、疲れて眠くなったしもう寝ようかな。  てか野宿ってどうやるの……。  夜行性の魔物とかいるよね……  寝てたら食べられてたってオチは嫌だよ……?  私は木の上に登るのに少し時間が掛かったがとりあえず  木の上で寝ることにした。 「もぅーー! ふかふかなベッドで寝たいーー!」  静かになった森に私の声が響き渡る。  そして私は戦い疲れたからか深い眠りについた。
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