「悔恨」

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 ~アラン視点~  スライムを倒した後、しばらく進むと人骨か動物の骨か区別できないがチラホラと骨が落ちていることに気づいた。  何か大型の魔物が住んでいるのだろうか?  エクレアが話していたベイビーウルフの巣とか……そんなわけないか。  そう思っていると奥からガリ、ガリッって音が聞こえてきた。  骨を食べる音? いや、もしかして鉱石……?  青く光っているのは絵で見たマナライト鉱石とそっくりな石をゴブリンがかじっている。  なんでゴブリンが? そう思った時、エクレアにゴブリンの図鑑に載ってることを教えてもらった。  ――――――――――――――――――――――― 【ゴブリン】  Cランク  変体条件  ・五人の人族の命を奪う  ・鉱石を使って武器を作る、又は食べる  スキル  ・ゴブリンパンチ  ・ひっかけ  ・仲間を呼ぶ  ―――――――――――――――――――――――  ゴブリンの近くには骨らしき物も落ちている。  頭蓋骨を数えてみる。  ――四つだ。  これなら変体条件は満たしてない!  鉱石を全て食べられる前に倒してしまおう、とみんなに言ったが予想外なことが起きた。  ラースが震えてうずくまっているのだ。  そうか、ラースの村はたしかゴブリンに襲われて……。 「ラース君! ゴブリン位なら多分僕達で大丈夫だから袋の準備してて! じゃあみんな行こう!」 「お、おいら、まだこわい……ごめん、アラン……」  トラウマはそうそうすぐには無くならないと思う。  これは仕方ない。  ネム君も何かラース君に言ってたみたいだけど俺には遠くて聞こえなかった。  そして木剣を構えてゴブリンに突っ込む。  踏ん張った時に足元を見ると俺の近くにも頭蓋骨がもう一つ落ちているのに気づいた。  え?  五つ目……?  そしてゴブリンを再度よく見てみる。  ――光っているのは鉱石じゃない!  青いマナライト鉱石にゴブリンが変体する時の光が反射して青く光っているように見ていたのだ。 「――まずい! みんな! 一回下がって!!」  気づいてすぐに大声を上げたが遅かった。  ゴブリンは食べていた鉱石をエクレアに向かって投げる。  すると姿がどんどん大きくなりホブゴブリンに変体したのだ。  ――――――――――――――――――――――― 【ホブゴブリン】  Bランク  変体条件  二十人の人族の命を奪う。  スキル  ・つかむ  ・投げつける  ・叩きつける  ――――――――――――――――――――――― 「ちょっと! 痛いんですけど! てかBランクとかズルくない!?」  鉱石を投げられてエクレアは結構怒っているようだ。  だがそんな冷静にエクレアを見ている場合じゃない。  相手はBランクだ。  大人が数人でやっと倒せる魔物だぞ……。  そう思っていた時ぎこちない低い声が聞こえた。 「グギギ、オマエ、アノトキノコドモ、コロス」  なんで俺が狙われているのか分からないが俺はこのゴブリンと会っているらしい。  城下町でゴブリンと会った記憶はないが……と思ったが、セインがゴブリンキングと戦う前に一匹のゴブリンが逃げたのを思い出した。  くそ、あの時のゴブリンかよ……! 今たらればを言っても意味が無い。  とりあえず三人で安全マージンを組む、捌けるか分からないが俺がホブゴブリンの攻撃を捌いてその隙にネム君とエクレアが攻撃。  よし、これで行こう。  ――しばらく攻防戦が続いた。  ホブゴブリンはゴブリンの時と比べて動きが遅い気がする。  体が大きくなってまだ慣れないのだろうか?  ゴブリンキングは動きが早かった気がするが……。  そしてホブゴブリンは手を大きく振りかぶって俺に攻撃してきた。  俺は木剣を構えて正直から受ける。  受けた瞬間、木剣を少し斜めにして攻撃を受け流す。  俺も成長したんだ。  受けてただ吹き飛ぶだけじゃない。  俺が受け流した瞬間、ネム君とエクレアが攻める。 「雷兎パンチ!」 「ブラックハンド!」  それぞれの得意な技でホブゴブリンに攻撃を当てる。  ホブゴブリンも痛そうにしている気がする。  これで効いていなかったらとんだ役者だ  そう思った瞬間、ホブゴブリンが落ちていた頭蓋骨を掴み、俺に向かって投げてきた。  木剣で弾いたが、体の大きさに慣れたのかさっきより早く走って俺に突っ込んできた。  相手は真っ直ぐ突っ込んでくる。  俺は練習していた混合魔術を試してみる。  右手からはウィンドスラスト 「風の精霊よ、我の元に蝶のように舞い踊れ」  左手からロックバレット 「細やかなる大地の騒めき、目の前の敵を穿て!」  混合魔術! 【ロックスラスト!】  以前ユーライアさんが見せてくれた混合魔術だ。  俺の得意魔術は風と土、光だ。  きっと効いたはずだ……!
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