「幼馴染」
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「幼馴染」

   ――俺が誕生してから半年の月日が流れた。  二度目の人生は意外と早く時間が経っていた。  ゆりかごにいる時間も少なくなり、俺はハイハイが出来るようになった。  家の間取りを確かめるのは大事なことだ。  俺は家の隅々までハイハイで駆けずり回る事にした。  家の中を見てみると、家具のほとんどは木製で出来ており、食器なども木製だ。   電気は無く、夜はロウソクやカンテラを使っているようだ。だが、たまにホタルのような虫を瓶に入れて吊るしていた時は少し驚いた。  そして家は思っていた以上に広かった。  木造建築の二階建てで一階にリビングとキッチンがあり、夫婦の愛の巣と空き部屋が三つある。  そして広い中庭があるのだ。 「あら? ハイハイを覚えてから色々な所に行くわね~」 「あぁ、たまに見失う時があって焦るぜ」  エリナは椅子に座りながら、楽しそうに俺を見ている事が多い。  きっと初めての子供だから長く見ていたいのだろう。  サービスが出来る男だからな、俺はテーブルや椅子の障害物を巧みに避けながらエリナの元へハイハイで近づいて行った。 「アランがこっちへ来たわ、うふふ、本当に可愛いわ。  元気が有り余っているのかしら?」 「まぁ、元気でもいいんじゃないか?  俺も子供の頃は家中を駆けずり回ったもんだ」  セインはそう言っているが、俺の所にも来て欲しいと言わんばかりにこちらをじーっと見てきた。 「元気なのはいい事だけど、もし階段から落ちたりなんかしたら大変だわ……あなたも私も治癒魔術は中級しか使えないはずだけど?」  エリナが不安そうに右手を顎に添えた後、何か考え事をしているようだ。 「むむ、そうだな……念のためにユーライアに上級治癒魔術のスクロールを作ってもらうか」 「えぇ、そうしましょう」
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