困惑の和彦

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困惑の和彦

【和彦】 今、俺は《斎藤 智也》と俺の部屋に二人きりでいる。 正直何を話せばいいのかよくわからないので部屋にあったゲームで遊んでいる。 以前の俺は本当にこいつと仲が良かったのか? 謎だ。謎すぎる。 相変わらず距離感が近く俺をバックハグする形でコントロールを操作し、しかも俺の肩に顎を乗っけて遊んでいる。 これが普通なのか?前からこんな感じだったのか? 事故前の状況がわからないのでこれが異常なのかそうでないのかがわからない。 突然、和也の部屋から叫び声が聞こえた。 確か友達の《難波 潤》と一緒だったよな。 心配になり部屋を出て行こうとすると 奴がどこに行くかたずねてきた。 隣の部屋から叫び声が聞こえるから様子を見に行く旨を伝えたら、 「今は俺たちの時間だ。行くのは許さない」 と言われ、いい加減頭にきたので ふざけるな!さっきから何なんだよ! 鬱陶しいんだよ!!と叫ぶと、 突然立ち上がり部屋にあったハサミを首に当てて、 「和彦が死ぬほど好きだ。 俺は話すのが苦手だから中々上手く伝えられない。 只、これだけは言える。 和彦が俺を捨てるなら俺はここで首にハサミを突き刺し死ぬ。本気だ!」 は?は?えーーーーーーーーー??? 突然過ぎて固まっていると本当にハサミを首に刺そうとしたので、それを間一髪止めて俺よりでかい身体を咄嗟に抱きしめた。こっちも無我夢中だったので 「捨てる訳ないだろ! だから変なことするな!分かったか!」 というと奴は、それなら付き合ってくれるかと聞くので 「付き合う!付き合うからハサミを下ろせ!!」 と、俺はとんでもない事を口走っていた。 すると《斎藤 智也》は気持ち悪いほどの満面の笑顔を俺に向け、そのままベットに押し倒してきた。 無言で俺の服を脱がそうとするので、 ちょっと待て!家には家族がいるから待ってくれ!! と涙目で訴えるとヤツは俺から身体を離し 首筋に噛みつきやがった。そして耳元で 「わかった。でも俺のものだってマーキングしとく。」 と囁いた。 取り敢えず今日は帰るように説得し、そのまま奴を見送った。 とんでもないことになってしまった。 これからどうすんだ! あいつゲイだったのか! 知らんかった!!平凡に生きるはずだったのにこんなトラップありかよ! アイツは絶対俺とヤル気だ。しかも体格的にオレがやられる方だ。何を考えてるのか分からないから余計怖い。 女ともやったことないのに、初体験が男なんて笑えない。今回はなんとか回避したが明日からどうするんだ!! 考えろオレ。考えるんだ!! 神さま!!!!!!!!!!
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