智也の暴走

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智也の暴走

【斎藤 智也】 久し振りに和彦の家に来た。 事故後初めてだ。 久し振りの部屋に興奮する。 密着しながらゲームをするのも久しぶりだ。 最近の和彦は触れようとすると逃げるので長時間密着出来なかった。 今日は存分に触れ合えて満足だ。 俺たちだけの時間を誰も邪魔はさせない。 隣の部屋で誰かの叫び声が聞こえた。 そしたら突然和彦が様子を見に行くという。 俺たちの時間を奪われたくないと思い、行かせないようにすると和彦は怒ってしまった。 しかも俺のことを鬱陶しいとまで言われた。 和彦が離れてしまう。俺の前から消えてしまう。 そんな事になるぐらいなら死んだほうがマシだ。 咄嗟に目の前にあったハサミを手にすると自分の首に当てた。 和彦が俺に抱きついて止めてきた。 そして俺の前から消えないと叫んだ。 でも証拠が欲しい。消えないという証拠が。 オレと付き合ってくれるかと質問すると 付き合うと答え、こちらを見つめ返した。 あまりに嬉しくて、それだけでイキそうになる。 すぐにでも和彦の肌に触れたいと思い、彼を押し倒したら家族がいるので、今はダメだと言われた。 しかし何か俺のものという証拠を残したい。 彼の肩に噛みつきマーキングを残しておいた。満足だ。和彦は俺のものだ。 このままいたら又、襲ってしまいそうなので 一旦帰ることにした。一階に降りると和子さんと和也さんがリビングで深刻そうに話しをしていた。 兄と《難波 潤》は先に帰ったようだ。 二人は真剣に話していたので 何も言わずにそのまま家を出た。 今日から俺は和彦の彼氏だ! 本当に嬉しい! 絶対に彼を離さない。 死ぬまで彼と一緒だ。
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