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真実
【両親】
私達、夫婦の研究はもうすぐ完成するはずだった。
支援者が人道的な観点からもう金は出さないと今更言い出すまでは。
我々の研究、それは記憶の入れ替えだ。
死んだ人間の脳の記憶を別の肉体に移行させるというものだ。
小さな機械でそれを可能に出来る。
そんな時、我々の子供達に対して仲良くしている友達がいる事に気付いた。
調べてみると《斎藤浩二》、《斎藤智也》という兄弟の両親は政界に大きな力を持っていることがわかった。
《難波潤》の両親は財界に力をもっていた。
子供達同士が密にする事で親同士も密になり研究の資金を調達できるのではと考えた。
ある日、体調が悪く父親である私だけ途中で仕事を早退した。部屋に行くと3人の子供達が裸で抱き合っていたのだ。
おぞましい光景に吐き気がした。
近親相姦・・・・。私の子供達がまさか。
私たち夫婦の所為だと思った。仕事ばかりで子供達の事を全く考えていなかった。しかも子供達の友達も利用して資金を得ようとしていた。夫婦で話し合い、子供をカウンセリングに向かわせることにしたが、彼らは怒り狂い行く事を拒んだ。そしてその事件から親や物に手を挙げるようになった。
私達の邪魔をする奴らは全員殺してやると
言ったり彼らも自暴自棄になっていった。
このままでは大変な事になる。我々夫婦は精神的に追い込まれ無理心中を考えるようになった。
三人で暮らせる家を用意しろと言っていたので、新しいアパートを契約したと嘘をつき、
3人をおびき寄せた。
無理心中する為のアパートに向かっていると後ろから赤い車が突っ込んできた。最後尾を歩いていた男子高校生をなぎ倒し、我々の後ろを歩いていた子供達も跳ね飛ばした。
我々は無事だったので子供達の所へ急いで行くと3人の男子高校生は即死していたが、和子達は気絶しているだけで軽傷ですんでるようだった。その時悪魔が囁いた。まだ実験段階ではあるが私の研究結果通りであれば
脳の記憶を機械で移行することができる。死ぬ時はこの機械も一緒にと思い、無理心中の為に丁度現場に持ってきていた。
妻の顔を見ると同じ考えのようだ。
今の子供達はもう、手に負えない。
周りには誰もいないうえに、加害者の運転手も気絶している。
あの高校生達がどんな子か知らないが今よりずっとマシになるだろう。そして我々は装置を作動させ、脳の記憶の移行が終了するとその場を離れた。
そして急いで公衆電話から救急車を呼んだ。
生まれ変わった子供達はとても良い子達だ。
私達の選択は間違ってなかった。
10年前、あの選択をしていなければ今の成功はなかっただろう。和子は《斎藤浩二》と結婚し、和也と和彦はそれぞれ《難波潤》、《斎藤智也》と同性結婚した。
3人から付き合ってる人がいると告白され、相手を聞いた時は驚いた。しかし彼らのお陰で研究資金を調達することができた。初めは嫌々だったらしいが、愛されてる内に自分達も好きになっていたらしい。
これで良かったんだ。これで・・・・・。
END
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