私の赤ちゃん

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午前3時半の授乳をすませ、横抱きで娘をゆすりながらベランダに出た。夏の夜風はとても涼しく心地よかった。私は子守唄を鼻歌で歌いながら三階のベランダから外を見下ろした。さすがにこの時間にもなると人通りはなく、すこし遠くから国道を走る車の音が聞こえるくらいだった。光もほとんど消えてはいるものの、遠くに見えるコンビニだけは明るく光っているのが見え、私以外にも起きている人がいることがわかると少し安心した。私は自分が住むマンションの向かいにある公園に目をやった。たまに高校生か大学生くらいの若者が遅い時間までたむろしている事があるが最近は静かになった。近所からクレームが入り警察官が見回るようになったのだろう。 ふと、砂場近くの電灯のそばで何か動く影が見えた気がした。 私は目を凝らし、その影を追う。 そこには人が立っていた。 しかもこちらを見ている気がする。 私は少し怖くなり、すぐに部屋に入って鍵をかけた。速くなる鼓動を落ち着かせ、再びカーテンの隙間から公園の方を見た。 「ひっ」 私は息を飲んだ。 目が合ったのだ。 思わず叫んでしまい、娘が起きてしまったのではないかと顔を見たが、眠ってくれていた。 私がカーテンの隙間から見たのは、あの日、武が待ち合わせしていた女だった。
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