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腕を摑んでしまったので、絆は勢いにひかれて俺の方を向いた。
その瞳が芯になったような、凛然とした輝きの瞳は太陽みたいで。
儚くなんかない、しっかりした炎みたいなもんが、絆には見えた。
そしてそのまま『何すんの変態!』と、ビンタ喰らった。往復だった。あまりに痛すぎて、思わず手を離した。
絆はこれ幸いと走って出て行った。
――俺の二度目の運命は、このときだと俺は決めた。
あ、いや別に殴られることに目覚めたわけじゃないからね? 俺が『女の子』と認識するのはあの子だと、俺は決めたんだ。
それからは絆と鬼ごっこのはじまり。
授業サボってると、風紀委員な絆は責任感から探しに来てくれる。
俺は、それこそしてやったりと、わざと見つかりやすい場所でサボタージュ。
一年落とす決心には、なんでか変わりはなくて。
そんなまま、俺は何度も絆に『すきだ』とか、『ちゃんと付き合おう』って言ってんだけど、素行不真面目を知られているからか、絆はマジに受け取ってくれない。
それでも、俺が絆をすきなことを公言していたからか、絆に言いよる野郎がいなかったのは救いだった。
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