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苦痛の生き様。
華取在義は、そんな奴だ。
俺の恋人とは、三宮光子。高校の同級生だ。こちらは少し説明がいる。
こいつ、空から降って来やがった。
在義と同じ高校に進学してしまった俺は、優等生・在義とは違って腫れもの扱いをされていた。
言うに、俺の態度が悪かったようだ。
在義のように愛想はよくないし、媚びるのは嫌いだし。
「それでいて華取くんと並んで成績トップなんだから、幼馴染にしても両極端なんだよ」。とは、ひかるに喰らった説教のうちの一つだ。
それは話すようになってからの言葉で、それまで俺は、友人らしいものは在義以外にいなかった。
朝、人が群れる時間帯に登校した俺。
突然頭の上から、「猫柳くーん!」という、高い声が響いた。
この学校にその姓は俺しかいない。
かなりの大声で、周囲も変な雰囲気に包まれた。
なんだ? と顔をあげるのと同時に、目の前に人が落ちて来た。
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