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初めて会ったのは、半年前。
仕事帰りの、けれど自分より少し若いサラリーマンたちで混み合った今どきの居酒屋で、向こうもこっちも、それぞれ違う飲み会に来ていた。
俺は高校の同級生に誘われて来たものの、他は普通の会社員たちで
「歯医者の二代目なんていいよな。上司に気遣うこともないし客に頭下げることもないし、むしろ治してやるって立場だろ」
男はそんな陰口を叩いて、女は値踏みするような目で見る。
なんとなく疲れて個室を出ると、通路を挟んで反対側の個室から、やはりつまらなそうな顔をして出てきた女が居た。
俺と目が合うと、彼女は言った。
「煙草持ってる?」
「は?……いや、持ってないけど」
「そう」
ぷい、と彼女は横を向いて、それからまた俺の方を向いて言った。
「ねえ、もしかして、飲み会退屈な人?」
「……まあ、うん」
「だったら、一緒にどっか行かない?」
それが、類だった。
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