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「……いや、だけど俺のこと何も知らないのに」 「身元と履歴書があれば間違いない?」 「そういうことじゃなく、犯罪とか」 「あたしどうこうするくらい悪い人なら、合コンぐらいうまくやれるでしょ」  ……ほんと、今まで会ったことないタイプだ。 「あたしが何か企んでて声かけたんじゃないかなんて思ってるなら、同じような人が居たから一緒に愚痴言いたかっただけ」 「別に疑ってないけど……」  斜め前を、突っ張ったように背中を反らして歩く姿を見ていると、この子自身淋しいところもあるから、そんな突拍子もない行動を取っているようにも見えた。 「……俺、かなりブランクあるけど」 「ひとり歴、どっちが長いか聞く?」  俺が笑うと 「あたし負けない自信あるけど」 真顔で類は言った。  その日は名前と連絡先だけ交換して別れた。  次に会ったのは、俺から連絡して、二週間後だった。
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