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6月の雨は嫌いだ。
中々晴れ間が訪れることなく、無限に降り続く雨で気持ちまで滅入るからだ。
「ックシュン!」
先程から、俺高遠颯斗はずっとくしゃみが止まらない。
噂されているから、じゃない。
この雨の中、自転車で濡れながら1時間以上の道程を帰ってきたからだ。
こんなことになってしまったのも、一体何が原因だったのだろうか。
凍える身体を湯船に沈めながら、俺は先程の出来事を何度も頭の中で振り返っていたのであった。
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