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 普段から『オレ達は仲間だ。平等だ』とほざいていたお前だが、薄ら寒いぜ。偽善者よ。  俺は知ってたんだ。  同期で基本給は同じだが、ただのbotに喋らせているだけのSNSに付く『いいね』に応じた『いいね手当て』は俺の百倍だったって事をな。  他にも、セリフの量に応じたセリフ手当てや、お前だけのリーダー手当てってのもあった。そして握手会手当て、撮影会手当て、その他諸々……、圧倒的な収入の格差が常々不満だったんだよ。  俺はお前の腕から外したチェンジングブレスレットを手に取った。 「今日から俺がレッドだ。お前に成り代わり世間からの名声とリーダーの立場と、1番多い収入を受け継ぐ。俺を恨むなよ。個人情報管理の甘いお前が悪いんだ」 「素晴らしい!」 唐突に誰かの声が響いた。
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