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 振り向くと、そこにいたのは、 「監督!? どうしてここに……」 「今後の展開に決め手が無くて悩んでいたが、グリーン君。君がラスボスだ」 「は?」 「君は嫉妬の感情に飲み込まれ、歴代最強の(モンスター)と化し、レッドの前に立ちはだかるのだ」 「ええっ? 敵!? ちょっと待ってください! 」 「ギャラの総支給額はレッド君と同じにしよう。いや、更に上乗せをするよ」  悪役にされるというショックの中であったが、予想外なギャラの提示に思わずほくそ笑んでしまった。 「それだけじゃない。君には更に1千万円の特別手当も支給する。どうだ、それで手を打ってくれないか」  (それは破格だ! )  続いて予想もしなかった好待遇・高評価に思わず心の中で叫んでしまった。  と、同時に身体はみるみる内に邪悪な化け物へと変化していく。  気付けば監督の後ろから、レッド、ブルー、イエロー、ピンクが現れた。顔からは正義の怒りが滲み出ている。  ……という事は、足元に転がっているこいつは?  俺が疑問を感じたと同時に晴れやかな顔で立ち上がった。 「彼は子供の頃から僕らを応援してくれている良い子の代表だ。危機を察知して内偵してくれていた」とレッドは言った。同時にピンクが続けた「今日からは私達の仲間、ブラックよ!」 そして全員で声を揃え、 「よくも我らの仲間を酷い目に合わせてくれたな!」と、ヒーローポーズだ。  昨日までの親愛の眼差しは一切消え、憎しみに溢れた目つきで俺を睨んでくる。怖ろしいほどの掌返しだ。  しかし、身体の変化に伴ったのか、金の誘惑に負けたのか、俺の内に僅かに残っていた正義の心は、あっけなく消え、生まれながらにそうだったかのような、悪の啖呵が口をついた。 「バレちゃ仕方ねぇ! お前らを全員倒すまでよ! ギェェェェェッ!!」
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