⁂ 始まりの命 ⁂

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⁂ 始まりの命 ⁂

 赤い炎が渦巻く。 神々(こうごう)しいほどの輝きは熱を帯び、炎を生み出す。 人型の炎。 翼を持つ炎の化身の始祖のカルラ。 真っ赤な炎と化した燃える髪、ルビーのような赤い瞳。 翼は熱を帯び、炎を生み出す。 そして透き通るような、白い肌。 炎そのものの、魔力の(かたまり)。  幼さを残した、その少年を彼女は知っている。 彼女は白の女神。 魔法の神とされる、クリスティーナ神。  そして幼いカルラから、かつて死にそうな命を救ってもらった。 カルラの血を分け与え、自らの魔力を宿させ、命を(つな)ぎ止める(ため)に。 「生きて、僕は始祖のカルラ。始まりの命」  そうして気づけば、深手を負っていた傷は消え、魔力を宿し 彼女は『白の女神』と呼ばれるようになった。
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