彼の赤好き10%

2/9
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「ポチ、こら!」 「え?」 近距離で声が聞こえたと思った次の瞬間には、足元がバタついて、私のお尻が地面についていた。 ジワジワと痛みが襲ってくる。 「ったたた…え、なに?」 「大丈夫ですか?!ああ、すみません!!」 一瞬の出来事で何が起きたのか全くわからず、恐る恐る声のした方を見上げてみる。 彼の後ろに夕日があるから、すぐにハッキリとは見えなかったけれど、そこには同い年くらいの1人の男の子が立っていた。 白いVネックのTシャツにデニムと、ラフで爽やかな印象。 そして黒い髪がサラサラと風に揺れ、大きな二重の目がしっかりと私を見ていた。 …この人どこかで。 「星野さん?」 「…あ、暁くん!?」 いつも制服姿しか見たことがなかったから、すぐに分からなかった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!