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赤だけが…
赤色なんて大嫌いだ!!
急いでいる時に限ってその色に変わる信号機。
パトカーや救急車のパトライト。
指を切った時に流れる鮮血。
信号機は交通の秩序を守るために必要なのは分かる。でも、どうして歩行者の青信号はあんなに短いんだ。
緊急車両が自らを誇示するのも分からなくはない。でも、夜にあれをやられると、辺り一面が物々しい色に染まっては消えを繰り返すのは、恐怖心を煽ろうとしているとしか思えない。
そして‥‥‥なによりも僕は、血を見ると貧血を起こしてしまうのだ。
指先をちょっと切った程度でも、鼻血が少し出ただけでも、あの赤を見るともう、立っていることも出来ない。
赤色なんて、この世から消えてしまえばいいのに!
僕、海川総司は今、猛烈にそう思っている。
だって、僕が血が苦手な事を面白がって、僕の兄、克也は、嫌がる僕を無理やりソファーに座らせ、あろうことかスプラッター映画を見せているのだから。
不穏な音楽が流れ、目の前の人物に影がゆっくりと近付き‥‥‥
次の瞬間、背後から現れた何者かに右腕を叩き切られた!
直後、その肩から大量の血しぶきが!?
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