ふたりべや〜一学期〜

ゲーム

チッ、チッ、チッ·····

時計の針が時間を刻む。

今は夜10時過ぎ。
この時間、いつもは勉強している杏奈が今日は珍しくスマホを触っている。

私は床で足に湿布を貼りながら、二段ベッドの下の段に座って真剣な表情でスマホを触っている杏奈を見た。

「··········」

何やってるのか気になってるのは事実だし、何見てんの？、とか気軽に聞ければいいんだろうけど私がそこまで聞いていいのか、とか、杏奈に聞いて嫌がられないかとか。

いろいろ気にしてしまって聞けない。

自分のコミュ障ぶりを呪う。

とはいえ部屋で話しかけるのは基本的に杏奈から。
急に私が話しかけたら変に思われるに違いない。

結論としては、私は杏奈に気を遣いすぎなのだ。

足を揉みながら思った。