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「はい。お客さん。どうぞ」
と、そうこうしている間にレジは僕の番だ。
僕が台の上に弁当を置くと、レジのオバちゃんは流れるような熟練の手つきで弁当のバーコードを機械に読み取らせる。
「のり弁1つで429円になります」
僕は言う。
「え? 半額で214円じゃ?」
見ればこののり弁には半額シールがない。
もう一度言おう。
些細な疑問を見落としてはいけない。
それが真実に繋がるからだ。
そして、半額シールを見落としてはいけない。
レジのオバちゃんの目が怖いからだ。
「すいません。……弁当コーナーからやり直して良いですか……」
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