*2018/08/06 9:20 神薙学院高校*

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そうしていると、 「おっす。こんな早くから準備するなんて、やる気あるじゃん」 と、不意にかけられた声に、僕は振り向く。 そこにいたのは細身で背のシュッとした、メガネの女性教諭。ここ神薙学院高校で、常勤として数学を教えている住吉(すみよし)静夏(しずか)である。 ちなみに静夏は幼稚園から高校まで僕と一緒の幼馴染でもあり、僕がこの高校に非常勤で採用してもらえたのは、彼女が校長に口を効いてくれたことが理由として少なくはない。 「僕は非常勤だからな。オマエと違って、真面目にやらないとすぐにクビになっちゃうんだよ」 「なによ。まるで私が真面目じゃないみたいにッ」 と、ふてくされる静夏。 と、からかってはみたが、静夏は本当に真面目にやっている。 宝塚のようなスタイルで愛嬌が良いものだから、男女問わずに生徒達からの人気も高い。 少しばかり子供みたいなところはあるが、昔から後輩の面倒見がよく、しっかりした性格をしていたのだけれど、そういう性根はとにかく教師に向いていた。
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