*2018/08/06 9:20 神薙学院高校*

4/9
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
「そういや、静夏も特別講習あるんだっけ?」 一連の塩対応を終えて、一息つきながら、僕は尋ねる。 すると、静夏に、 「ああ。それもあるんだけど、雑務が溜まっててさ。女子バスケ部の顧問もやってるから、そっちも見ないといけないし。まあ、非常勤のアンタと違っていろいろ大変なのよ、私はね」 フフンと鼻を鳴らしながら得意気に言われた。 コッテリとした嫌味。 出た。味噌対応。 ちょっと頭に来たので、言い返してやろうかとも思ったが、静夏がカバンから出した資料の多さを見て、それは思いとどまった。 確かに大変そうだ。 それに僕も大変なのだった。 もう、講義開始まで時間もない。 慌てて予習に戻ろうとした時だ。 「在」 名を呼ばれてみれば、静夏はそれまでの朗らかな様子がウソのように、真顔で僕を見ていた。 ヒリヒリとした空気が見える。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!