*2018/07/12 17:38 神薙学院高校*

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早いもので、気がつけば、あれからもう2か月以上も経過している。 2カ月の間、ずっと観察してきたが、やはりイジメはある。 どう公平に見てもあるものは、ある。 何か打つ手はないものかと一人で思案し続けた。 結果として、ただ、苛立ちだけが加速していったのである。 悔しかった。 イジメも。学校も。 そして、何も言い返せなかった自分自身も。 静夏は零れそうになる溜息を、歯を食い縛ってこらえた。 そうして静夏が階段の手前まできた、その時だ。 ふとゴンというハンマーが振り下ろされたかのような鈍い音がした。 そして静夏の視界の端っこに、小柄な少女の姿が飛び込んできたのである。 長い黒髪を靡かせ、大きな目の特徴的な、目の覚めるような美少女の姿。 山田水無瀬。 静夏の受け持つクラスの生徒であり、そして彼女こそがイジメの被害者なのである。 そんな彼女が不意に静夏の前に飛び出してきた。 それは人形のように階段を転げ落ちながら……。
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