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ハタハタと。
不思議な音に気づいたのはその時だ。
なんだろう?
耳を澄ませば、どうやら音は、僕の進む路の先からこちらに向かってくるようだ。
僕は開いた右手で目の前に軒を作り、くらみそうな日差しに逆らって路の先に目をやった。
人影があった。
誰だろう?
入学式の出席者だろうか?
けれど入学式は10時に開式して、11時半に閉式予定のはずだ。時間から考えれば、もう入学式は終盤のはず。つまりもうすぐ終わり。
出席者のはずはない。
僕は目を凝らす。
すると、どうやらそれは女の子で、しかもフリフリの付いたお姫様風ドレスに身を包んだちびっこい美少女であって……。
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