*2018/08/08 10:46 神薙大学鴉谷研究室*

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「……はっきりと一般の人間が悪魔を目撃しているという点は、今回と同じか……」 僕は資料に向けて独り言つ。 そこに、 「ふむ。目の付けどころは良いのだがね。しかし、そのケースは今回の事件には当てはまらんのだよ」 と、芥川助手が言葉を放り込んできた。 見れば、そのとなりで忍が泣きながら土下座をして謝っている。 どういう経緯かは知らないが『ギョロたん』が勝ったらしいとは理解した。 「当てはまらないって、どういうことです?」 「そのケースの答はすでに出ているのだけれどもね。それは、つまり霊体離脱だ」 「霊体離脱? ですか?」 霊体離脱。 俗に言う幽体離脱というモノである。 意識がもうろうとする催眠状態に起きる現象で、霊体の位置と肉体の位置を、意識が勘違いすることで起きる現象だ。 つまり、催眠状態で、本当は寝ているのに空を飛んでいる気分になってしまうとする。 すると肉体は寝たままなのに、霊体だけが分離して空想の中の空の位置へと移動してしまう、そういう現象である。 けれど、それが悪魔召喚とどう繋がるのか?
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