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「強いイメージは、霊体をイメージ通りの形に変質させるってヤツですよね」
「いかにも。そして強いイメージは霊体を強固にして、その結果はどうなるかね?」
「霊体が強く活性化して、他者からも感知されるようになります」
そう。
霊体とはそういうイメージ、意志と強く結び付いているモノなのだ。
僕の答えに芥川助手も頷いていた。
「うむうむ。であるのでな。……つまりそういうことなのだよ」
「えっと、……どういうことでしょう?」
「ったく、だから、悪魔召喚者は悪魔をイメージして儀式にのぞむわけだろう。悪魔の幻想を脳内に強く描いて儀式をするものだ。そうすると、霊体は知らず知らずのうちにイメージした悪魔に形を変えてしまう。まあ、それもイメージしている間だけのことなのだが、けれども、その間に霊体が離脱してしまったら、……どうなるね?」
「あッ」
そこまで言われて、僕は気づいた。
悪魔の形をした霊体が肉体を離脱して、それが他者に感知されるほどに活性化しているとすれば……。
他者には悪魔が現れたように見えることだろう。
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