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由美は微笑むと、頭を肩に預けてきた。
優しい香りがふんわり花咲く。由美の頭に頬を預けて、由美を抱き寄せずにはいられない。
「来月、休みを取るようにするよ。そしたらどこか、温泉にでも行こう」
「ほんと?」
由美が至近距離で見つめてきた。
「どこがいい?」
「うーん、九州かな」
「じゃあ指宿はどう?」
「うん、そこにしよう! どこにあるか分かんなけど」
由美の世間知らずには、思わず笑みがこぼれてしまう。
和樹は由美にキスをした。由美はすんなりと受け入れた。長い味わいだった。ずっと、永遠に続けばいい。
いつの間にか夜になって、電気を消し、同じベッドの中で身を寄せ合っていた。
キス以上のことをしなくてもいい。ただ感覚を持って、抱きしめられるだけで。
和樹は由美の寝顔を撫でながら、普段口にしない照れ臭い言葉をこぼした。
由美の身体を強く抱きしめたとき、煩わしいアラームが鳴った。
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