きっと最後は大団円?

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ーーもうどうにでもなれ!  意を決した僕はペンライトを力強く握りしめ、周囲の流れに身を任せるかの如く腕を振り始めた。ある時は縦、ある時はウェーブ。そしてラブに合わせてハート型。あっという間に2番が終わり、間奏へと入る。キラキラとした画面が流れる中、僕はふと気付いた。 ーーこれ、意外と楽しい!  思えばホラー映画を初めて見た19歳のときには、お金を払って怖い体験をするなど馬鹿げていると思っていたものだ。でも今の僕は三度の飯よりホラーが好きな人間。異なる文化に飛び込むには勇気が要る。でも心を開いて飛び込んだら、世界は、広がる。  夢中でペンライトを振り続ける僕。気がついたら曲は終わり、5人はカーテンコールを行っていた。スクリーンの内外で沸き起こる割れんばかりの拍手。僕も気づけばそれに合わせて大きな拍手を送っていた。
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