第1章 『屑』と『愚図』

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……というか、そもそもにおいてコイツは火遊びし過ぎなのだ。 仮にも芸能人なんだから、少しは自重するべきだと思う。 『ばっかお前、3番目の時点でなんか嫌だろー?w どうせなら1番が良いわ!』 クズだ。 どクズだ。 そりゃ、顔が良いのは認める。 外面が良いのも分かる。 けど、コイツの本当の姿を知ってるのはオレだけなんだよ。 本当のコイツを知って、それでも好きなのってオレ位なんだよ。 なのに、なんでオレじゃねーのかな……。 なんでオレ、男に産まれて来ちまったんだろう。 『???おーーいユウ、聞いてっか〜〜??』 間延びして気の抜けた声。 心を許している奴にしか出さない声音。 オレだけの特権。 ……せめてコレだけは、誰にも譲りたくねぇな。 「聞ーてるよバカ。1番が良いってお前……この間、学校一可愛いBクラの子と付き合ってた癖に、『なんか違う。』っつって振った事もう忘れたのか??」 『あーーー…あったな、そんな事。忘れてたわww』 「バカ。マジでバカ。んっとにクズな、お前。てめぇなんかマジでチンコもげろこのヤリチン野郎!」 そんで、女なんて抱けなくなっちまえ。 『うわひっでぇ!!!ってかさーー、何か昨日萎えたせいで不完全燃焼だからよ、今からお前ん家行ってゲームしても良い??まぁ、ダメだっつっても行くけど。』 ほらまただ。 そうやって、なんでもない事でオレを喜ばせるんだお前は。 勿論、オレに断る理由なんか無い。 「えぇ〜〜〜………良いけど、5時半から始まるアニメリアタイしてからな。それからならスマ〇ラ付き合ってやるよ。」 『うっわ、出たよ。ヲタクのユウくんが。』 「うっせほっとけ。好きなんだよ、知ってんだろ?」 そんなどうでもいいような会話をしばらく続ける。 別に、話さないといけない要件なんて1つも無い。 けど、アイツがうちに来る時に電話をしていたら…なんだか、トモがうちに着くまで電話を切っちゃいけないような気がしてしまうのだ。 習慣って怖ぇな(苦笑)。
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