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彼女を連れて、部署へと向かう。
いきなりショックを与えないように、話しでもしておこうか。
「藤堂さんはまだ若いのに、うちの部署だなんて、嫌だろうねぇ。うちの部署は老人ばっかりの寂れた部署だから、まぁ、のんびりと力を抜いて楽に行きましょうね」
彼女は私の後ろを歩いていたが、急に早足になり、私と並ぶ。
「寂れてなんか、寂れてなんかいません!!」
あまりにも強い言葉に、私は目を丸くし、口があいてしまう。
「あ、ごめんなさい……」
藤堂ゆいはペコッとお辞儀をし、また私の後ろに回った。
今までにない反応に、私は返す言葉が見つからず、そのまま部署へと歩いた。
まさか好んでうちの部署を希望したのだろうか。
いやいや、それはないだろう。
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