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──だが、そのまさかのまさかだった。
部署に着き、彼女の自己紹介を聞く。
みんな驚いた。驚いて、曲がった腰が伸びた者までいた。
「ずっとここに入りたくて、ようやく叶いました。分からない事ばかりなので、ご指導の程、よろしくお願いします!女ですが、やる気だけはあります!お気遣いなしに使って下さい!」
先程の緊張した彼女とは見違える程、しっかりと誠実さが伝わる自己紹介であった。
まだ笑顔に幼さが残る、可愛らしいその子が、まさかうちの"姥捨山希望"だなんて、部署の皆は初めて天女でも拝見したかのように、夢うつつの眼差しで彼女をみている。
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