🖤黄色い女の子

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🖤黄色い女の子

これは主に私の母の体験です。 私が小学校4年生頃、当時はファミコンが流行っていました。 クラスの8割は持っていたと思います。 私と友達数人はそれぞれの家へ行ってゲームを楽しむというローテーションを組んでいました。 その日はちょうど日曜日、私の家でゲームをするため、友人3人が来ました。 玄関を入り友人3人がそれぞれ「おばちゃん、こんにちは」とか「お邪魔します」と言いながら上がるのに対し母親は「いらっしゃい」と笑顔で対応してくれました。 私は既にゲームをスタンバイしていたので直ぐにゲームを始める事ができました。 確か当時大人気だったスーパーマリオブラザーズだったと思います。 母はといえばキッチンでお茶の用意をしてくれていました。 キッチンからは私達の姿は良く見えます。 私達といえばゲームに夢中です。 暫くして母が「ちょっと休憩してお茶にしたら」なんて言いながらみんなにお茶を運んできてくれました。 お茶をテーブルに置くとお菓子を取りに母はキッチンへ戻ります。 すると、友人の1人が 「おばちゃん、コップ1個多いよ」と言いました。 すると母は 「えっ?おばちゃん入れてちゃんと6個ない?」 更にもう1人が言いました。 「私たち4人とおばちゃん入れたら5人だもん、でもコップは6個って変だよ」 少し怪訝な顔をした母が私達を見回わすと、とんでも無い事を言い出した。 「あれ?もう1人は?」 ん? もう1人? 私や友人は母の言ってる意味がよく解りませんでした。 母は続けて言います。 「黄色いワンピースの子は?どこ行ったの?」 …………黄色いワンピース……の女の子? 私達はお互いの顔を見合わし不思議な気持ちになりました。 「黄色いワンピースの子って誰?そんな子いないんだけど」 私は母にハッキリと告げた。 だって本当にそんな子は居ないのだから。 「嘘ぉ!居たよ。みんなの1番後ろで中腰になってテレビ画面見てたんだから、それにおばちゃんここから2回確認したし」 母も負けずと私達にキッパリと言い返しました。 しかし、私には母の言葉には嘘が無い様に感じました。 ですがそんな子、端から居ないのです。 もう一度お互いの顔を見合わし、それぞれがゾッとしたのを覚えています。 しかし、そこは子供なのかもしれません。 私も友人もお茶とお菓子を食べ終わるとまた楽しくゲームを始めました。 そして夕方の5時を過ぎた所で解散。 次の日、私達は昨日の体験で少し盛り上がったものの時が経つにつれて忘れていきました。 因みにあの体験後、私にも母にも友人にも特別なにかがあった訳でもありません。 そして時は流れました。
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