食事にて…

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「で、本題だが…」 俺は1週間考えてきた事を瀬名に話す。 「瀬名、営業やらないか?」 「は?」 瀬名は、ぽかんと口を開ける。 ふっ なんだ、その、子供みたいな反応。 俺は、思わず緩みそうになる表情を引き締めて、極めて真面目に話を続ける。 「営業。 お前は、話し方も見た目も営業向きだと 思う。 SEの仕事は好きか?」 「いきなり営業と言われましても… SEの仕事もやりがいはありますし、残業 以外に不満はありませんから。」 「残業に不満はあるんだろ? だったら、自分で納期を設定して受注して こればいい。 で、自分で設計してシステムを作っても いいし、SEに丸投げしてもいい。」 「なんで、私が営業なんですか? 営業さんは、もうたくさんいるじゃ ありませんか」 瀬名は不満そうだ。 「第一に声。 よく通って聞きやすい上に、うるさくない。 第二に話し方。 ハキハキ喋るから内容が伝わりやすい。 敬語も間違えない。 それでいて、初対面の人間と距離を 詰めるのが上手い。 第三にルックス。 システムを使うのは女性も多いが、購入を 決めるのは、男性が多い。 綺麗な女性というだけで、それは武器に なる。 ただし、今までみたいに無防備でいると、 あっという間に食われるぞ。 だから、絶対に隙を見せるな。」
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