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その後はしばらく何人かの女性と付き合ったが、結局理との付き合いが忘れられなかった。
男を求め、その関係のバーで泉水は、誰からか声をかけられるのを待っていた。
しかし、不思議なほど誰からも声をかけてもらえない。
「気に入った子を見つけたら、キミから声をかけてみたら?君、攻めでしょ?君の外見じゃ、みんな断られるのが怖くて尻込みして声かけられないからね」
バーのオーナーにアドバイスを受け店内を見渡す。モテるのはガチムチ系が多い。
また見渡すとスーツを着た、物静かそうな男に目が止まった。
社会人なのだろうが、よく見ると可愛い系だった。
泉水は勇気を出して、オーダーしたビールを両手に持ってその男に近づいた。
「と、隣、良い?」
緊張して少しどもる。可愛い系は、ビクッとして泉水を見たが、泉水の顔を見てホッとしている。
「どうぞ」
可愛い系が小声で言う。泉水は隣に腰掛けた。
「ビール、飲める?」
「うん」
ぎこちなく二人は乾杯した。
「え、と。俺、ここ初めてなんだよね」
泉水が言うと、可愛い系も初めてだったと言った。
「俺、大学生なんだけど、良い?社会人でしょ?」
「ああ、俺は気にしないよ。俺はまだ社会人一年目。よろしくね」
可愛い系は笑顔も可愛かった。
「なんて呼べば良い?俺のことは泉水って呼んでよ」
「俺は、将だよ」
しばらく雑談をしていたが、泉水からホテルに誘った。将は見たまま、やはり受けの方だった。
将が先にシャワーを浴び、その後にすぐ泉水もシャワーを浴びた。
ぎこちない空気が流れていたが、泉水が理とのことを思い出しリードを始める。
「舐めてくれる?」
色っぽい顔で泉水がねだると、将は頷いて泉水のモノを口に含んだ。
「あっ、マジ、気持ちいい、ああッ!」
久しぶりの感覚に泉水は痺れた。
「口でイかないでね。俺の中に挿れて」
舌で下から舐め上げながら将は言う。
「あッ、うん。でも、俺、挿れた、こと、ない、から」
気持ちよすぎて、泉水はまともに話せない。
「女に挿れるのと変わらないから」
最後に先端をぺろっと舐めると、一度将は離れた。
「コレ、使って」
将が泉水にゴムを投げる。泉水は持っていなかったので、将が持っていてくれてホッとした。
「挿れる前に、指でほぐして」
お尻を向けられ、泉水は舌で舐めた。
「あッ!舐め、なくても、良いのに」
恥ずかしそうに将は言う。
「舐めて濡らしたほうが良いでしょ。気持ち悪い?」
将は首を振り、泉水の舌使いに感じまくる。
泉水が指を挿れてほぐし始めると将は悶える。
「やぁッ!凄い、気持ちいい。泉水って上手いね。相当、慣れてる?」
意外だった。
こんなこと理にもしたことなどなかった。
女性にしていることを、ただ場所を変えて愛撫しているだけだった。
「もう、挿れてくれる?我慢できないんだ」
潤んだ目で将が訴えてくる。
泉水はいよいよと思いゴムを着けると、ゆっくりゆっくり慎重に将の中に入って行った。
その時の記憶はあまりない。
ただ正直女性とのセックスよりも気持ちいいことを知った。
その日はそれで別れたが、将とは付き合いが始まった。
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