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プロローグ。
私は、私立海王高等学園の英語教師として
2年1組の担任を務めている。
こう見えても椎名グループの社長令嬢だったりする。
容姿だってそれなりに悪くないと思う。しかし……。
「こら、あなた達。廊下を走らないの!!」
「うるせーババア」
「はぁっ?何ですって!?待ちなさい。こらー」
いつもながらヤンチャな生徒を追いかけます日々。
この勝ち気で手の早い性格が災いしてか、彼氏できない歴数年が過ぎようとしていた。
私もそろそろ素敵な彼氏が欲しい。切実に……。
しかし、そんなある日。
父からお見合いの話が舞い込んできた。
それが極道の世界に足を踏み入れるなんてこの時は、夢には思わなかったが……。
「えっ?お見合い!?」
「あぁ、会社で大変お世話になっているお得意様の息子さんなんだが……どうやら上紗を気に入ったらしくてね。
お見合い相手にどうかって話があるのだが、どうだ?引き受けてみないか?」
そうお父様が言ってきた。うーん、お見合いねぇ……。
どちらかと言えばお見合いより、恋愛で結婚したい方だが、それで今まで散々失敗してきた。
私もそろそろ本気で選び方を考え直さないといけないのかもしれない。
いや、でも変な相手だと嫌だし……。
それこそかなりの年配や生理的に受け付けない人が来たら最悪だ。絶対に無理、それだけは……。
そもそも何故急にそんなことを?怪しい……。
私が渋っているとお父様は、何故たか慌てたようにお見合い写真を見せてきた。
「頼む上紗。会ってみるだけでもいい。
本当に大事なお得意様なんだ。あの方達の機嫌を損ねたくない。
それにその息子さんは、本当に素敵な人だぞ?
容姿、学歴、人柄も申し分ない。ほら、写真もあるんだ!」
何故そんなに慌てているのかしら?
私は、不思議に思いながらもそのお見合い写真を見た。
するとその写真に衝撃を受けた。
か、カッコいい……。
黒髪で左側の前髪が隠れて見えなくなっているが、とても綺麗な顔立ちをした男性だった。
キリッとした切れ長の目に鼻筋が高い。
黒いスーツがよく似合ってクールな感じで何て言うのだろうか。あ、あれだ。
クールビューティーっていう感じだった。
とにかく私にとったらドストライクだ!!
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