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「あんたの考えていること大体分かるけど違うわよ!
私は、金持ちのおじさま好みだし。
ちょっと黒江先生と色々話してみたくなって声をかけたのよ。そうしたら……面白いのなんのって」
歯切れの悪い言い方をするが楽しそうな奈緒だった。
一体何を聞いたのだろうか?
しかも面白いって何が……?
私は、意味が分からずに首を傾げた。
すると黒江お兄ちゃんは、急に私の腕を捕まれる。
そして怒ったような表情をしてきた。
「それより入谷先生に聞いて驚いたよ!!
まさか上紗さんの旦那が極道の若頭だなんて……。
あんな危ない世界に嫁ぐなんて信じられない。
もしものことがあったらどうする気なんだ!?
今すぐそんな奴と別れなさい!!」
えっ……!?
黒江お兄ちゃんが、鬼龍院さんとの結婚に関して反対をしてきた。
ちょっと……奈緒ったら、何で黒江お兄ちゃんに鬼龍院さんのことを話すのよ!?
昔の話だけなら分かるけど……。
「だ、大丈夫よ!黒江お兄ちゃん。
鬼龍院さんは、凄く優しくていい方なの。
極道の世界と言っても鬼龍院組は、ちゃんとしたところなのよ?」
「極道に安全も何もないだろう?
あんな暴力的で危ない世界に巻き込まれて怪我でもしたらどうするんだ?
そうでもなくてもおじさんも……何故、上紗ちゃんにお見合いなんかさせたんだか」
酷い……鬼龍院さんのことを悪く言うなんて。
お見合いだって最初は、驚いたけど今は、して良かったと思っている。
「危ないって……そんな偏見で言わないで!!
皆凄くいい人なのよ。
鬼龍院さんもそうだし、ろくに知りもしないで勝手なことばかり言わないで」
「確かに……知らない。だからこそ言えることもあるだろ?鬼龍院さんって人も……なら。
証明して見せてくれ。君の言うヤクザの世界が本当に安全なのかを……」
「えぇ……もちろんよ!!」
私は、思わずムキになってとんでもないことを口に出してしまった。
証明するって……どうやって!?
自分で言っておきながら何をどうしたらいいか思いつかなかった。
それに何でそんなにムキになるのよ?黒江お兄ちゃん……。
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