幼馴染みのお兄ちゃん。

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 そして黒江お兄ちゃんと別れて迎えに来た車に乗り込んだ。  複雑な気持ちではあったけど黒江お兄ちゃんに理解してもらえて本当に良かった。  すると鬼龍院さんは、私の手をギュッと握ってきた。 見るとこちらを見たがら切ない顔をしていた。 「ごめん……僕のせいで嫌な思いさせて。  でもこれだけは、信じてほしい。 僕の気持ちは、何があっても揺るがないから」 鬼龍院さん……。  複雑になっている私に自分の気持ちを伝えてくれた。 真剣な目で見つめくる。  私は、涙を溢れてきた。嬉しかった……。 そんな私を鬼龍院さんは、抱き締めてくれた。  初恋は、複雑な状況で終わってしまったが私には、鬼龍院さんが居る。  それは、何より大切にしたい気持ちだった。 しかし黒江お兄ちゃんのことは、それで終わらなかった。  翌日学園に行くと黒江お兄ちゃんは、昨日のことを謝ってきた。 「昨日は、ごめんね。上紗ちゃんの気持ちを考えずに勝手なことばかり言って。  あれから凄く落ち込んだんだ。 そうしたらある人から電話が来て。驚いたけど電話に出たんだ。  そうしたら色々と話を聞いてくれて。会うことになって……。 そうしたら……まさかあんなことに……」  はい?ちょっと……待って。 話が見えてこないのだけど!?  黒江お兄ちゃんのぶっ飛んだ発言に驚かされた。 ある人って誰?それにあんなことって何? 「あの……あの人って誰?」  いや。何となく察しがつくけど……。 だが1番考えたくない人だったからだ。まさか!? 「大河内さん……」 やっぱり!!  あの言葉といいあの態度といい大河内幸也は、黒江お兄ちゃんに何をしたのよ? 「まさか……黒江お兄ちゃん。大河内幸也と!? な、何で?そんなことに……」 「俺にも分からないよ。そんな趣味なんてないのに。 まだ好きなのは、上紗ちゃんなのに。  でもあれから、あの人の事を考えると……こう胸が苦しくなるんだ。  まるで幼い上紗ちゃんを見ている時のようで……」
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