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周りを見ていると授業中だった。
しかも来月のやる文化祭の出し物を決めている最中だった。嫌だ……私ったら。
「あ、ごめんなさい……何でもないの。続けて」
私は、慌てて黒板消しで書いていたことを消した。
すると女子生徒の学級委員の子が話を続ける。
「では、出し物を何にしたいのか決めたいと思います。皆の希望は?」と言っていた。
あぁ、もうすぐ文化祭か……。
私立海王高等学園も文化祭の日を迎えようとしていた。
早いわね。もうそんな季節なのね……。
「ねぇねぇ今流行りだからメイド喫茶は?
猫耳とか動物のカチューシャつけてさ」
「えーお前らがメイドなんのかよ?」
「はぁっ?どういう意味よ?」
男子生徒と女子生徒が対立している。
それを見ていてちょっと羨ましくなった。
私がもし鬼龍院さんと同い年でヤクザとか関係なく一緒に過ごしていたら、どんな風だったのかな?
あんな風に悩まずに済んだのだろうか?
普通に恋愛したり普通にデートしたり過ごしていたのかもしれないのに……。
何とも虚しいだけの妄想をしてしまう。
馬鹿な妄想よね……。
するといつも聞いていないはずの坂下君が珍しく手を挙げてきた。
「椎名せんせーい。もしメイド喫茶になったら先生もメイド服着るの?」
はい!?何を言っちゃってるのかなぁ……?
坂下君は……。
「それは……さすがに」
「あーいいと思う。椎名先生美人だし絶対に似合いそう」
無理だと言おうとしたら1人の女子生徒が賛成したように言ってくる。
いやいや。無理だから……絶対に。
そもそも教師は、出し物に参加しないし。
クラスは、賛成派としてざわつき始めた。
半分以上は、面白がっているし……。
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