鬼龍院組の若頭。

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「私は、鬼龍院さんが思っているよりも気が強くて負けず嫌いなんです。  そんなことでへそを曲げるような女ではありませんから勘違いをしないでください。  あれぐらい……鬼龍院さんのためなら我慢出来ます。 だから、またデートして下さい。  まだ美味しいディナーを食べていないし、恋人らしいこともしていないので……」  あれ?やっぱり何を言っているんだと……自分。 これだと恋人になりたいみたいじゃない!? 自分で大胆な発言していることに驚いてしまった。  すると鬼龍院さんは、驚いた表情をするが、すぐにフフッと声を出して笑いだした。えっ……笑われた!? 「フフッ……本当に上紗さんは、カッコいいなぁ……。 僕の理想通りの人だ」  そう言う鬼龍院さんの目には、大粒の涙が溢れて頬に伝う。  だが優しい笑顔で笑おうとしていた。 鬼龍院さん……。私は、思わず近付いて行く。  そして手を伸ばしてしまった。 何故だろうか、どうしても抱き締めたくなった。  ギュッと抱き締めてしまった。 「泣かないで下さい。私は、何処にも行きませんから」  そう言うと鬼龍院さんは、安心したように抱き締め返してくれた。 「……うん。何処にも行かないで……」  力強く抱き締めてくる彼のぬくもり。 震えているのが分かる。  きっと不安で仕方がなかったのだろう。  私は、背中をポンポンと優しく叩くと彼は、余計に涙を溢れだしていた。  クスッと笑うと私は、鬼龍院さんのおでこにチュッとキスをした。  鬼龍院さんは、頬を赤らめるがいつもの天使の笑顔を見せてくれた。  しばらく抱き締めていた。そして落ち着いてきた頃。 私は、鬼龍院さんにあることを伝えた。 「そうだ。来月に私の働いている学校で文化祭があるんですよ。  良かったら鬼龍院さんも来てください」  お互いに寄り添いながら座っている。 手を繋ぎながら文化祭に来ないかと誘ってみた。  我が学校の文化祭は、入場チケットさえ持っていれば誰でも参加が出来るようになっている。  文化祭でデートするのも悪くない。 ちょっとした憧れでもあった。 「僕が参加してもいいの?」
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